■南太平洋に浮かぶ絶海の孤島 謎多きモアイのふるさと

南米チリの沖、南太平洋に浮かぶ絶海の孤島ラパ・ヌイ。先住民の言葉で「輝ける偉大な島」を意味し、日本ではイースター島の名で知られている。
この島を世界的に有名にしているのが、言わずと知れたモアイ。
小さなものは1m強から大きなものは20m以上まで、約900体ものモアイ像が島には残されている。4〜5世紀頃、この島へと渡ってきたポリネシア系の民族が10世紀頃から造り始めたといわれているが、その目的や建造方法、搬送などはいまだに謎のまま。
現在、島全体が国立公園に指定されており、1995年には世界遺産にも登録された。島
に刻まれた先住民の文化を追い、悲しみを感じさせるモアイに思いを馳せてみたい。
●イースター島のモアイを訪ねて
・ラノ・ララク

岩でできた小高い山で、この岩山の岩を切り出してモアイを製造されたといわれる、モアイの製造工場。
斜面には顔の部分だけができているものや、あとは岩から切り離すだけで完成するものなど、製造途中のモアイが無数に横たわっている。
ここには約397体のモアイがあり、後期に作られたためサイズが大きいのが特徴。付近には正座しているモアイ、モアイ・トゥリ・トゥリも見られる。
・アフ・トンガリキ

島の北東の海岸部、幅約100mのアフの上に島で最大級の15体のモアイが立つ。1991〜1993年にかけて日本企業の援助によって復元された。
そのとき日本から運ばれたクレーンは、今でも島で唯一のクレーンとして活躍している。また、付近の広場にはマケマケ神や魚、カメなどの岩絵が描かれた岩が無数に散らばっている。
・アフ・ナウナウ(アナケナ海岸)

伝説の王ホツマツアが上陸されたとされる場所。穏やかな白砂の入江とタヒチから運ばれたココヤシの林が美しい。
入江を望む丘の上にはホツマツア王の像といわれるモアイが立っている。また、近くにはプカオを載せた珍しい形のモアイ、アフ・ナウナウも。
これら5体のモアイは砂に埋もれていたため保存状態がよく、背中に彫られた模様やふんどしをしている様子も見ることができる。
・アフ・アキビ

島のほぼ中央、なだらかな傾斜が続く草原の丘に7体の巨大なモアイが立つ。
他のモアイがすべて海を背にして内陸を向いて立つのに対し、ここのモアイは海を向いて立っている。これには、この島を最初に訪れたホツマツア王の故郷の方角を向いている、春分と秋分の日没の方角を示している、など様々な説が唱えられている。
・タハイ遺跡

島の中心ハンガロア村から徒歩10分ほどのところにあり、5体のモアイが並ぶアフ・タハイ、唯一目をはめ込まれたアフ・コリテクなど7体のモアイや、住居跡、儀式のための広場、鳥小屋、炉などを見ることができる。
モアイのすぐ後ろは波打ち際で、水平線に沈む夕陽は島で一番の美しさ。
・イースター島博物館

タハイ遺跡の一角にあり、モアイ像がどのように作られ、どのように運ばれたかなどをパネルや展示品から知ることができる。
最大の目玉は「モアイの眼」。
1978年にアフ・ナウナウのモアイを復元中にみつかったもので、縦19cm、横36cmの大きさ。白眼の部分には白珊瑚が使われ、黒眼には黒曜石と赤石の安山岩の2種類が使われていたという。
今のところモアイの眼はこの1点しか見つかっていない。
・オロンゴ

島の南西部にある死火山ラノ・カオの火口湖付近にある遺跡。かつては聖域とされていた場所で、眼下には紺碧の海と、3つの島が見渡せる。
ここでは18世紀頃から始まった「鳥人儀式」に参加する戦士が寝泊まりした石家や、顔や鳥人の模様が彫られた岩などが残されている。
※鳥人儀式とは?……オロンゴから見える3つの島のうち、一番大きなモトゥ・ヌイへ泳いで渡り、飛来するグンカンドリの最初の卵を持ち帰るという宗教儀式。最初にこの卵を持ち帰った戦士が「鳥人」と呼ばれ、1年間島民に崇拝され、宗教的・政治的実権を握った。
※写真はイメージ
