
■スペインはここ!

政体= 議会君主制■イスラムの心、叡智、美の饗宴 赤い城塞アルハンブラ宮殿
グラナダの小高い丘に建つアルハンブラ宮殿は、800年近く続いたイスラム王朝最後の砦である。総面積14,000m2という広大な敷地面積を誇り、城塞アルカサバ、王宮など、イスラム芸術の粋が集結した見事な建造物が並ぶ。イスラム軍がスペインに侵攻してきた8世紀以降、キリスト教徒たちのレコンキスタが起こるまで、スペインはイスラム支配下におかれ、独自の文化が華開いた。アルハンブラ宮殿はイスラム教徒最後の砦であり、当時の栄華を今に伝える貴重な宮殿なのだ。キリスト教徒たちでさえ破壊することを控えたこの宮殿は、外から眺めると無骨な要塞にしか見えない。しかしながら、一歩宮殿に足を踏み入れた途端、そのあまりの壮麗さに立ちすくんでしまうだろう。アラベスクや動植物をモチーフにした装飾や美しい色タイルが壁を埋めつくす内部は、さながら抽象画の趣。中庭に出ると、満々と水を湛えた池が空の青を映し出し、陽光に照らされてバラ色に輝く塔とのコントラストが美しい。要塞の力強さと目も眩むような宮廷の華麗さ、相対する2つの魅力を持つアルハンブラは、見る者を瞬く間に虜にしてしまうのだ。
●アンダルシアに光るイスラムの面影 〜世界遺産〜
・メスキータ(コルドバ)
8世紀中頃、後ウマイヤ朝の時代に首都として栄えたコルドバに残る聖堂。キリスト教の聖堂があった場所に着工され、10世紀後半、世界最大規模を誇るモスクへと完成した。総面積24,000m2。13世紀にキリスト教徒に再征服されると、教会として再び聖化されたが、モスクに敬意を表し、「円柱の森」などはそのまま残されている。
・カテドラル(セビリア)
イスラム時代に建てられたモスクを基礎にして、1402年から約1世紀もの歳月をかけて建造された大聖堂。ゴシック様式とルネッサンス様式が混合し、規模としては世界第3位を誇る。内部のステンドグラスが大変美しい。ヒラルダの塔からはセビリア市街を一望できる。他にも内部に展示された宗教画は必見。
・アルカサール(セビリア)
14世紀、スペイン王ペドロ1世の命によりイスラム時代の城塞の跡地に建てられた宮殿。イスラム様式とキリスト教建築が融合したムデハル様式で建設され、アルハンブラ宮殿を意識した造りとなっている。精緻な漆喰細工やアラベスク模様はアルハンブラ職人によるもの。イスラム芸術の粋を極めた豪華な宮殿である。
・アルバイシン地区(グラナダ)
ナスル王朝時代から1492年のグラナダ陥落まで、イスラム教徒の居住区として利用されていたグラナダ最古の町。迷路のように入り組んだ都市構造はイスラムならでは。白壁の景観が特徴で、家並みのところどころからのぞく果樹園の緑が美しい。
・旧ユダヤ人街(コルドバ)
8世紀頃ユダヤ人によって造られた街。迷路のように入り組んだ細い道の両側に、美しい花が飾られた白壁の家が並んでいる。ここには1314年に建てられたムデハル様式の漆喰装飾が施されたユダヤ教会も残っている。
写真提供:スペイン政府観光局 ※写真はイメージ